傘が嫌われる理由

BLUNTアンブレラのデザイナー、グレイグ・ブレブナ-。
 
彼が傘とまだ無縁であった1999年のある日、デザインエンジニアとして働く彼は、いつものように自宅の玄関口を出て、ぽつぽつと降り出した雨空を見上げながら、ロンドンの街の雑踏の中へと歩き出した。
 
背丈1.9メートルのグレイグは、行く手の先に見えるほとんどの人々を見渡すように歩いていたが、雨足が激しくなってきたその時、突然数百もの鋭利な矛先が彼の目を脅かし始めたのに気が付いた-それはあたり一面に広げられた傘の先端であった。彼の目に映った次の光景は、少しの突風でお猪口のように裏返ってしまった傘の先で彼の目を突かないようにと、反り返った傘と格闘している傘の持ち主の姿であった。
 
そしてこの光景が、のちに彼を傘と結びつける運命的なものとなる。